この記事では2020年に会社を辞めてフリーランスになった起業1年生向けに、確定申告のやり方をお伝えしています。

給与とフリーランスの売上の両方がある場合にどのようにすればいいのか、医療費控除についてもお話ししますね。

当記事での使用ソフトは弥生会計ですが、お使いの会計ソフトでも同様の項目や機能があると思いますので参考にしてください。

前編・後編と分かれていますが、後編は青色申告決算書作成、確定申告書類作成についてです。

前編はこちら:初めての確定申告のやり方2021(2020年分)【前編】|期限・家事按分・減価償却・入力チェックポイント解説【弥生会計ver】

1年分の請求書や領収証などを綴ったファイル、生命保険などの控除証明、年金や健康保険の支払い明細、退職した会社からもらった源泉徴収票などを全て揃えておいてくださいね。

青色申告決算書を作る

前編でお話した書類作成の準備を終えたらいよいよ提出書類の作成です。まずは青色申告決算書を作りましょう。

弥生会計から青色申告決算書作成メニューを開くと、入力した帳簿データが全て反映された状態になっていますので、ほとんど完成していると言ってもいいかもしれません。

青色申告決算書1ページ目(損益計算書)

住所、氏名、電話番号、日付、整理番号などの基本情報を入力しましょう。

青色申告決算書2ページ目(損益計算書)

A.月別売上
帳簿情報がそのまま反映されています。

B.貸倒引当金繰入額の計算
貸し倒れというのは、お客様に請求したけど払ってもらっていないいわゆる売掛金のち、回収見込みがないものを指します。
回収できないであろう売掛金がある場合に、予めその貸し倒れを見積もって決められた計算にのっとり金額を算出します。これが貸倒引当金です。この損失を計上しておく処理をするが、この欄ですね。
処理が煩雑になるので、貸倒引当金のシステムや処理がよくわからないのであれば回収できないことが確定した時点で処理するのでも構いません。

C.給与賃金の内訳
従業員を雇用している場合には従業員の氏名、年齢、従事月数、給与・賞与の額と源泉所得税徴収額の年間合計を入力します。

D.専従者給与の内訳
家族や親族に給与を払った場合はこちらに記入します。家族や親族が「専従者」の要件に該当する場合のみ、給与を経費とすることができますので必ず要件を確認してください。
国税庁HP:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除ページ

E.青色申告特別控除額の計算
控除額には65万円、55万円、10万円と3種類があります。
自分がどれに該当するかはこちらのページで確認してください。
国税庁HP:No.2072 青色申告特別控除ページ

青色申告決算書3ページ目(損益計算書)

A.減価償却費の計算
これは前編で説明した減価償却費の処理が反映されているところです。弥生会計の場合は同的に反映されるのでここでの処理は特に必要がありません。

B.利子割引料の内訳(金融機関を除く)
事業のために親戚や友人など「金融機関以外から」借入をしている場合には、この欄に貸してくれている人の住所、氏名、借入残高、利子金額を入力します。その借入が事業のためだけではなく個人用でもある場合は按分して、事業に掛かる金額だけを「左のうち必要経費算入額」へ入力します。

C.地代家賃の内訳
毎月計上していた家賃の支払情報について入力します。
大家さんや管理会社など支払先の住所、氏名、借りている物件の名称を入力します。
「本年中の賃借料・権利金等」の欄ですが、敷金や更新料などは「権・更」の欄に、通常の家賃は「賃」の欄に入力しましょう。「左の賃借料のうち必要経費算入額」については、事業と個人の両方で使用している場合には、按分して経費にした金額を入力します。

D.税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
弁護士さんや税理士さんなどに仕事を依頼して報酬を支払った場合には内訳を入力します。
支払先の住所、氏名、年間支払額の合計を入力します。
「左のうち必要経費算入額」については、事業と個人の両方について報酬を払った場合には按分して、事業に掛かる金額だけを入力してください。
「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」には支払った際に徴収した所得税の年間合計額を入力します。

青色申告決算書4ページ目(貸借対照表)

貸借対照表については会計データがそのまま反映されているので、特に処理は必要ありません。

確定申告書Bを作る

それでは次に確定申告書の作成をしましょう。

確定申告書B第一表

住所、氏名などは青色申告決算書で入力したものがそのまま反映されていますが、念のため空欄がないか確認してください。

収入金額等

「営業等㋐」の欄には会計データの売上金額が自動で入力されています。事業の売上以外の収入がある場合は入力が必要です。
起業1年目の場合は、給与所得がある人が多いと思います。給与所得がある人は「給与㋕」に源泉徴収票に書いてある「支払金額」を入力します。

所得金額

事業所得と給与所得の金額については、上記「収入金額等」に入力すると自動的に計算がされるので特に処理は必要がありません。

所得から差し引かれる金額

保険料などの控除

まずは「社会保険料控除➉」で説明をします。「社会保険料控除➉」と表示されている緑色のところをクリックすると入力ウィンドウが現れます。
「社会保険料の種類」欄のプルダウンから項目を選びます。会社で働いていた時に社会保険料を払っていた人は「源泉徴収票のとおり」を選択して源泉徴収票の「社会保険料等の金額」の額を入力してください。

その後に国民健康保険に切り替えた人は明細が届いていると思いますので、同じ要領で国民健康保険、国民年金、国民年金基金(加入している場合)について郵送された明細を見て金額を入力します。
ただ明細には9月時点や10月時点の金額が記載されているので、12月末時点での1年間の合計を計算して入力する必要がありますので注意してください。

すべて入力したら右上にある緑色の「帳票に反映」をクリックします。

これと同じ要領で、生命保険や地震保険など「社会保険料控除⑩」~「扶養控除⑲」まで入力していきます。

なお会社で年末調整をしている場合は、ここまでの処理をしてあるので、あなたが入力をする必要はありません。
年末調整は12月に行うので、会社で年末調整をした後に起業する可能性は低いですが、副業をして被っている場合などは注意してくださいね。

医療費控除

次は医療費控除についてです。「医療費控除」の表示をクリックすると入力ウィンドウが現れます。

A.医療費通知に関する事項
保険診療を受けて、年間の医療費の明細が郵送されている場合はその明細の通りに、金額を入力します。

B.医療費の明細
歯医者で保険適用外の治療をするなど、医療費通知に記載されているもの以外で医療費がかかった場合には、病院の明細を見ながら1件ずつ(医療機関ごと)入力してください。
「新規作成」をクリックして入力フォームを表示して入力し、「保存して次へ」をクリックすると次の明細を入力できるようになっています。

自動的に医療費控除額が計算されますので(C)、全て入力したら右上にある緑色の「帳票に反映」をクリックしてください。

税金の計算

次は税金の計算の欄です。と言ってもここは基本的に自動計算されているので、自分で計算する必要はありません。

ひとつ注意が必要なのは、「源泉徴収税額㊹」です。
給与所得があり会社で源泉徴収されていた人、デザイナーさんやライターさんなど取引先から源泉徴収されている人は徴収された額を入力する必要があります。
「源泉徴収税額㊹」の緑色のところをクリックすると、入力ウィンドウが現れます。

給与の場合は、「所得の種類」は「給与」を選択し、種目、住所、社名、収入金額、源泉徴収税額を源泉徴収票を見ながら入力して保存します。

デザイナーさんなど報酬から源泉徴収された場合は、「所得の種類」は「給与」を選択し、種目については「原稿料」を選択し、住所、社名、収入金額、を入力して保存してください。

すべて入力したら右上にある緑色の「帳票に反映」をクリックします。

納税と還付

全て入力すると「納める税金㊼」もしくは「還付される税金㊽」に税額が計算されます。
納めるべき税金がある場合は、㊼に表示されている金額を期限までに納付しましょう。㊽に金額がある場合は、税金の還付を受けるために「還付される税金の受取場所(A)」に口座情報を入力してください。

確定申告書B第二表

青色申告決算書と確定申告書Bの第一表をすべて入力していれば、第二表は入力されていると思います。
念のため漏れがないか確認し、必要な個所は入力しましょう。

書類の提出(郵送の場合)

書類が完成したら郵送で提出します。
まずは印刷ですが、青色申告決算書と確定申告書B、添付書類の台紙、医療費控除の明細書(医療費控除をする場合のみ)を印刷します。
台紙以外は自分用の控えも印刷しておきましょう。

添付書類の台紙には、台紙に記載されている指示通りに生命保険などの明細をのりで貼りつけてください。

提出する書類は下記です。

  1. 確定申告書B
  2. 青色申告決算書
  3. 添付書類
  4. 医療費通知 ※医療費控除をする場合
  5. 医療費控除の明細書 ※医療費控除をする場合
  6. 確定申告書B(控)
  7. 青色申告決算書(控)
  8. 切手を貼った返信用封筒

税務署の受領印が押された控えが要らない場合は1~5まででOKです。なお金融機関で借り入れをする場合などに、受領印が押された控えの提出を求められることがあります。

納付書を書いて納税する

次は納税です。e-Taxを使用せずに納付書で納税する場合の説明をします。
税務署に開業届を提出している人には、税務署から確定申告の案内が届いていますよね。その封筒の中に納付書が入っていますのでそれを使用します。
1通しかないので書き損じが心配な場合は練習してから記入しましょう。
税務署に郵送してもらうこともできますし、税務署に近い大きな銀行だと納付書を置いてある可能性もありますので、失敗しても大丈夫です。

納付書の書き方はこちらを参考にしてください。
申告所得税の納付書(領収済通知書)の記載例

迷いやすいところだけ補足します。

整理番号は確定申告に記載したものと同じです。(A)

本税と合計額の欄に、確定申告の「税金の計算」欄にある「納める税金㊼」の金額を書いてください。(B)

納税は銀行か郵便局となりコンビニではできませんので、期限までに平日の日中に行くようにしてくださいね。

これで確定申告は完了です。

まとめ

前編では

  1. 確定申告書類を作る前のチェックポイント
  2. 減価償却の基本的なやり方
  3. 家事按分とはどのようなものか

について解説しました。

後編では

  1. 青色申告決算書の作り方
  2. 確定申告書Bの作り方
  3. 給与収入がある場合のやり方
  4. 生命保険や社会保険料の控除のやり方
  5. 医療費控除のやり方
  6. 書類の提出方法(郵送)
  7. 納付書の書き方と納税

について解説しました。

こちらの記事で紹介したのは基本的なやり方です。事業内容や個々の状況で別の処理が必要な場合もあります。不安なことがあれば最寄りの税務署や税理士さん、会計士さんに相談してください。

迷うところもあると思いますが、会計ソフトでもかなり親切にガイドがありますので慣れればサクサクっとできるようになると思いますよ!

2年目3年目と、さらにあなたの事業が発展していくことをお祈りしています。