あなたが今、転職するか起業するか迷っている理由はなんですか。

  • 職場や待遇、人間関係、仕事内容などに不満がある
  • スキルアップ、キャリアアップがしたい
  • 本当にやりたいことをやって生きたい
  • 起業してみたいけど不安なので転職という手段も検討している
  • 会社で働くということが自分に合わなくて苦しい

さまざまな理由をお持ちだと思います。

私も29歳の時、あなたと同じように転職と起業の両方を検討していました。転職回数はその時点で4回でした。結果的にフリーランスという形態での起業を選択し、雇われて仕事をすることと、雇われずに自分で事業をするという両方を経験することになりました。

さらに起業支援を通して、OLからフリーランスへ転身した女性たちや経営者であるクライアント様と接してきた経験から、転職と起業のメリット・デメリットや向き不向き、成功率を上げるためのコツを解説します。

どちらを選択するのがあなたにとってベストなのか、答えを出すためのヒントになれば嬉しいです。じっくり考えて答えを出したい人は順番に、サクッと比較をしたい人は2と3だけを読んでください。

あなたは転職と起業のどちらが向いているのか

転職を選んだ場合、あなたは従業員になります。そして起業を選んだ場合、あなたは事業者になります。

従業員に必要とされる要素と、事業者に必要とされる要素は異なりますので、まずはその違いから考えていきましょう。

従業員のお客様は自分の会社

会社に雇用されている従業員に求められていることは「会社のために」仕事をすることです。

ここで、あなたを雇っている会社側に視点を移して見てみましょう。

会社にはいくつかの目的があります。

  1. サービスを提供してお客様や世の中の役に立つ
  2. 利益を出して会社を存続、拡大する
  3. 従業員の生活を守る

会社から見ると従業員は1と2の目的を達成するための協力者です。従業員は会社に対して担当業務を遂行するというサービスを提供し、会社は給与という形で対価を支払います。

会社の目的を達成するための協力者が従業員ですので、会社が決めた方針やルールに従わなければなりません。仕事において判断基準や決定権は会社にあり、従業員の感情や希望などよりも優先されます。

従業員と会社の関係を例えるなら、会社と結婚して戸籍に入ったのが従業員です。

会社は従業員を養い、健康と幸福を祈って福利厚生や研修への参加など、いわば家族サービスを提供します。

当然のことだという認識で、会社に対する尊敬や感謝を感じない人も多いですが、自分で一から同じものを作り上げ、その費用を負担することを考えてみるとどうでしょうか。

そして事業者になるということは、まさに会社側になることを指しています。

事業者は自分で考えて決める力が必須

事業者とは個人事業主(フリーランス)から会社、団体まで幅広く指す言葉です。話を単純にしてイメージしやすくするために、自分一人で会社を経営することを想定して話を進めます。

この場合は、さきほどの会社にある下記の目的のうち

  1. サービスを提供してお客様や世の中の役に立つ
  2. 利益を出して会社を存続、拡大する
  3. 従業員の生活を守る

1と2は同じ、3は自分が兼任することになります。

自分一人しかいませんので、決裁権はすべて自分にあるのです。どのような事業をするか、サービス価格をいくらにするか、クライアントを選ぶのも仕事をする時間も自分の好きなように決めて、自分の納得するやり方で進めることができます。あなたをしばるルールも会議も気が合わない人もいません。

さきほど、会社と従業員を結婚に例えましたので、こちらは独身ということになりますね。

従業員も自分ですのですべてのことを一人でやる必要があります。どんなに小さなことであっても、そして難しい問題でも自分以外の人が進めてくれることはありません。

誰かに頼む場合はお金を支払うことになりますので、タスクの減少とともに費用の負担が発生します。資金繰りもしなければなりません。

会社に守られ会社のために仕事をしたいなら従業員向き

あらためて従業員と事業者を比較してみてどんなこと感じましたか。

それぞれの良さがありますよね。

それでは、従業員向きの人の要素をまとめてみます。

  • 会社という組織や秩序を守ること、その一員であることに魅力を感じる
  • 同僚、先輩、上司など一緒に考え仕事を進めてくれる存在が不可欠だと感じる
  • 福利厚生や退職金、収入の安定が重要であると思う
  • 事業内容や方針の考案、トラブルの対処、資金繰りなど大変で難しい問題について考えたくない
  • 誰かの許可がないと自分だけで決断できない

自分の思うとおりに人生設計や仕事をしたいなら事業者向き

次に、事業者向きの人の要素をまとめてみます。

  • 会社の一員であるということに不自由や負担を感じる
  • 問題や課題の改善策や解決策を自分で考え、自分の力で進めたい
  • クリエイティブなことが好き
  • どうしても叶えたいことが従業員ではできないことである
  • 会社の方針やルールに従うことが苦痛
  • 会社のためではなくて自分やお客様のために仕事をしたい
  • 従業員では得られないくらいの収入が欲しい

この先は、転職と起業のメリット・デメリット、成功するコツをご紹介していきます。メリットとされていることでも見ようによってはデメリットに、デメリットとされていることでも見ようによってはメリットにもなりえることがあります。

ぜひ「自分にとってどうか」という視点も持ってお読みください。

転職するという選択

転職を選んだ場合のメリットとデメリットを考えみましょう。

転職のメリット

  • 待遇がよくなる

収入の面ももちろんですが、休日日数の増加、社食や社員旅行などの福利厚生が向上する事があります。求人広告や面接などで求める条件を確認しておきましょう。

就労時間が減ることもありますので、残業をしたくないのであれば事前に確認を取ることで自由な時間を得ることができます。

  • スキルアップ、キャリア形成ができる

同じ職種であっても今までよりも任せられる範囲が広がったり、一段上のレベルを任せられたり、取引先や業界が変わることで違う経験を積めたりすることでスキルアップができます。

しっかりと転職先を選ぶことで、さまざまな職種を経験して自分を磨く方向でも、同じ職種を極めて自分を磨く方向でも、自分のキャリアを形成していくことができます。

  • 新しい可能性に出会える

今の会社に何年いても叶わないであろう希望や就けない職種でも、転職によって叶えることができます。また新しい会社で経験したことや出会いが、さらに別の道を開いてくれることもあるでしょう。

  • 気持ちと人間関係をリフレッシュできる

勤続年数が長くなると、仕事にも職場にも慣れて楽しさや刺激を感じられなくなりますよね。転職するとすべてが新しくなるので心機一転、前向きな楽しい気分で仕事ができるようになります。

また人間関係が転職理由の場合、一気に解決することができます。

ただ経験上、また同様の悩みをもつことになる場合も多いです。

転職のデメリット

  • 退職金や企業年金の受給額が減る

退職金や企業年金は勤続年数によって金額が変わります。途中で会社を辞めることで退職金の支給額が減ります。また転職先においても、新卒から就業している人よりも勤続年数が少なくなりますので、同じ年齢でも支給額が減ることになるでしょう。

退職金の制度は会社によってさまざまですので、どのような仕組みになっているのか就業規則を読み直したり人事部に確認してみたりすることで、デメリットではないとわかる場合もあります。

  • 有給や賞与の支給が不利になる

転職先が有給休暇の日数が勤続年数に応じて増える規定である場合、今よりも有給日数が減る可能性があります。入社後6ヶ月経過しないと1日もない、ということもあります。

また賞与についても、1年目は支給がなかったり金額が少なかったりするケースも多いです。

月収の額面だけ見ずに、賞与や退職金など生涯の総合的な収入で判断するようにして、後悔のないようにしましょう。

  • ローンの審査が不利になる

車や住宅のローンを組む場合に、勤続年数が考慮されます。勤続年数が少ないと融資を受けられなかったり金額が減ったりする可能性がありますので、とくに住宅の購入を考えている場合は注意が必要です。

  • 社風や人間関係が合わない

同僚や上司の人柄や関係性、社風などが合わず、転職後の大きな悩みになる可能性があります。会社によって細かいルールや独自の習慣があり、それらが受け入れ難いものである場合もあるでしょう。実際に働いてみないと見えてこない部分の方が大きいのです。

  • 求人情報や面接での説明と仕事内容が異なる

主な仕事内容については事前に確認することができますが、細かい部分は実際にやってみないとわからないものです。自分に与えられた裁量が小さく、自由に進められないためにスキルアップにならなかったり、全く聞いていなかった仕事を担当させられたりすることも考えられます。

転職の成功率を上げる方法

転職にはメリットとデメリットがありますので、後悔する結果にならないようにしたいですよね。

あなたが転職してよかったと思える結果になるよう、気をつけるべきことをご紹介します。

1.退職前に転職活動をする

面接の時間を確保することは大変ではありますが、やはり今の仕事をしながら次を見つけることをおすすめします。

理由は、ふたつあります。

ひとつめは自己都合で退職した場合、失業給付を3ヶ月間受けられないため無収入になるというリスクがあることです。

もうひとつは今の安定した収入や仕事があると精神的に追い詰められていないので、希望の条件の会社をゆっくり探せることです。

面接の時間は夜にしてもらえることも多いので、冷静な判断ができる状態で活動し、無収入にならないようにするために、退職前にスタートすることをお勧めします。

2.転職によって得たいものをしっかり見極める

収入は上がるけど仕事内容が希望と違う、仕事内容も社風も良さそうだけど残業が多くて自由な時間は減るなど、すべての希望が叶うことは難しいです。

自分の中で「これだけは譲らない」という条件を決めておきましょう。必然的に妥協してもいい条件も決まってきますので、しっかり紙に書くなどしてブレないようにしましょう。

3.転職先の会社が求めていることを考える

従業員は会社に入籍するようなもの、というお話をしましたね。転職先の会社にも会社の目的を達成するために、入籍してほしい人材の希望条件があります。

自分のことだけを考えず転職先の会社の事業や方針、状況を理解して、相手にとって自分は理想的な人材なのか、相手の希望を叶えるために自分にできることは何か、そのような視点で考えることが重要です。

4.面接の対策をしておく

転職先の会社の視点に立って考えれば、履歴書や職務経歴書、面接でアピールすべきこともおのずと見えてくるでしょう。

自分と会社の双方にとっていい結果になるために、事前に話しておきたいこと、質問しておきたいことも具体的になってきます。

緊張の中でもしっかりと対応できるように練習をしておくことも大切です。

5.情報を徹底的にリサーチする

複数の転職サイトを見ることはもちろんですが、会社の口コミサイトもありますので活用してみましょう。気になる会社のサイトやSNS、代表者や社員のSNSもあればチェックしてみると参考になります。

また、転職をサポートしてくれる人材紹介会社を利用することも有効です。広告を出していない求人に出会え、広告ではわからない情報を教えてもらうこともできます。

6.自分のSNSをチェックしておく

あなたがSNSをやっている場合は、応募書類を送る前にチェックしておくことをおすすめします。人事担当者はあなたの名前をネットで検索して調べるからです。

会社や仕事の愚痴、批判や誹謗中傷などを投稿してしまっていないか見ておきましょう。

起業するという選択

それでは起業を選択した場合の、メリット・デメリットについて考えてみましょう。

起業のメリット

  • 自分にすべての決定権がある

事業内容、取引先、サービスの価格、理念、ルール、休日、職場、報酬、すべてを自分で決められることは大きなメリットです。

誰のご機嫌も取らず、誰の許可も取らずに自分だけで決めて進めていけるのは、クリエイティブで楽しいことです。

  • 収入が増える

事業が成功すれば会社員よりも大きな収入を得られる可能性があります。転職では叶えられない高収入を望んでいる場合に、起業は有効な手段です。

  • やりがいや喜びを感じられる

自分が立ち上げた会社、自分で作った事業ですので本気で愛を持って取り組めます。いつも仕事のことばかり考えるようになりますが、それだけ打ち込めることがあるのは嬉しいことです。お客様ができた時や感謝していただいた時の喜びはその分大きくなります。

  • 成長することができる

すべての問題を自分で解決していくことで、あらゆる知識やスキルを身につけていけます。どんなことがあっても解決していけるという自信も身につくでしょう。

周りの経営者やお客様に助けてもらうことで人の優しさや大きさを知り、自分もまた人に対して大きな器でいられるようになります。

  • 人生設計の自由度が上がる

会社を経営する数や事業の数に制限はありません。自分がやりたいことを全部やるという欲張りな生き方ができます。実際いくつもの事業をしたり、会社を複数経営したりしている人は多いです。ベースの収入さえ確保できていれば、自分にできる範囲で楽しめるでしょう。

  • クリエイティブを楽しめる

事業を作る、会社のサイトを作る、パンフレットを作る、広告のデザインやコピーを作る、解決策を生み出す、未来を設計する、会社の運営に関わることのほとんどがクリエイティブな作業です。

何かを作ることが好きな人は、枠にとらわれずオリジナルで創造的な仕事ができる起業という道を楽しめるのではないでしょうか。

自分が何を経験して何を身につけどのように成長していくか、楽しみながら目の前のことに没頭する生き方ができます。

起業のデメリット

  • すべてを自分でやらなければいけない

一人で会社を興す場合を仮定すると、自分以外に人がいないため自分がやるまで物事が全く進みません。すぐにあらゆるタスクが滞るようになります。体調不良などの時も代わりがいません。

効率よく安定的に収入を得られるようになるまでは、あまり休日は取れないでしょう。

  • 会社が立ち行かなくなる可能性がある

起業を考えた時に一番怖いと感じるのは、会社が立ち行かなくなることではないでしょうか。知人の経営者にも実際に会社を潰した経験のある人はいます。それでも別の会社を作ってうまくいっている人もいますので、かなりの借金がない限り倒産したらすべてが終わるというほどのことではないと考えていいでしょう。

  • 収入が不安定になる

事業が軌道に乗り、安定的に自分に報酬を出せるようになるまでかかる年数は人それぞれです。数ヶ月の人もいれば数年かかる人もいます。

また一度安定したからといって、それが続くとは限りません。市場の変化や取引先の倒産などさまざまな理由で売上が減ることもあります。

起業の成功率を上げるには

転職に失敗しても会社に行きさえすれば毎月給与が支払われますが、起業の場合はそうではありません。

起業の成功率を上げるためにできることは何か見ていきましょう。

1.ビジネスモデルやサービスをしっかりと練る

自分がやりたい事業にはどこにどれだけのニーズがあるのか、市場はどうなっているか、同業他社の戦略や動向を調べ、収益性や発展性についてもよくシミュレーションしておきましょう。

アイデアをテストしてみることも重要です。実際にサービスを提供してみてレビューをもらい改善していくことで、顧客にとって価値のあるサービスを作ることができます。

「こうすればうまくいく」「自分の周りにはニーズがあるからうまくいく」という頭の中の想定だけで始めて失敗してしまうことはとても多いです。

2.法律や税金の知識を得ておく

法律の知識がないと知らぬ間に違法行為をしてしまいます。事業に関連する法律と会社運営に関する税法と会社法には知っておかなければならない法律が多くあります。

人を雇用する場合には労働基準法なども関係しますので注意が必要です。

自分ですべてを学び理解することは現実的ではないため、各法律の専門家との繋がりがなければ会社運営は難しいでしょう。

3.冷静、楽観的、柔軟であること

あらゆるトラブルや壁、多くの小さな失敗が起こります。あまり感情的にならず深刻に考え過ぎず、「ちょっとやってみよう」「こうしたらどうなるかな」という実験感覚で対応する心がある方が、問題を乗り越えて成功するまで続けていけるでしょう。

また、自分が長年あたためて練りに練ったことが思い描いたとおりに進まない時に、そのアイデアに固執し過ぎず、別の方法に切り替える柔軟な考え方をするとうまくいくこともあります。

4.人を頼れる

ただでさえ考えるべきことややることが多いのが経営者です。自分がやる必要のないことや自分よりもうまくできる人に任せた方がいいことは、抱え込まずに積極的に人に頼ることが求められます。

5.お金の管理ができる

使えるお金には限りがあるので、どこにどれだけのお金を使うのか見極める必要があります。どれくらい売上がなければいけないか、どれくらい現金が必要か計画を立てて、実績を見て調整していくことをします。会計の基本的な知識があると有利になるので1冊本を読んでおくといいでしょう。

6.自分の管理ができる

すべて自分の自由にできてしまえる上に、上司や同僚もいないため、自分で自分を管理できなければいけません。

今日じゃなくてもいい仕事を先延ばしにせずに今日やる、問題を放置せずに今解決する、得意なことや好きなことばかりしないで重要なことを優先的に取り組むようにするなど、上げればきりがないほど自分を見張っておかなければならないことがたくさんあります。

自分との約束守ることを習慣化しておきましょう。

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まとめ

転職にも起業にも、しっかり考えて真剣に取り組むということが求められます。今の職場に不満があるから、とりあえず今より良くなればいいなど曖昧な理由で選択すると失敗につながることになりそうです。

自分がどうなりたいのか、欲しいものはなにか、そういった本質的なことを見極めてから、それを実現するための手段として転職と起業のどちらが適しているのか答えを出すことをおすすめします。

今、自分が置かれている状況が辛くてもう明日会社に行けないという精神状態の人もいることでしょう。

だからこそ逃げるためではなくて、自分の望みを叶えるために進む道を選ぶことが大事だと思います。

あなたの心が晴れて、自分の選択に誇りを持てる日が訪れることを祈っています。